塾長小代義行の語る教育ビジョン

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教育は手段である。

手段であるからこそ、目的を明確にすることが非常に重要だ。

そして、小中高における教育の目的は大きく三つに集約される。
それは、「受験」「就職活動」「夢」の三つを対象とするものである。

 

「受験」では本番の試験での合計得点を上げることと合わせて、内申点などに関係する学校の成績を上げることが教育の目的となる。

次の「就職活動」では、意中の業界・会社に就職できるスキルを身に付けることが教育の目的となる。

最後の「夢」では、個人の夢を見つけることと、その実現に合わせて必要な準備をすることが教育の目的となる。

そういった中で、これらの三つの目的に共通して重要な点が三つある。

 

それは、「高い目標設定」「100%のマインド」「戦略的な取り組み」である。

「高い目標設定」は全ての始まりであり、その存在なくして必要な知識・行動を決定することはできない。結果を評価する唯一の評価軸でもあり、いかにして質の高い目標を設定するかは肝要である。

次の「100%のマインド」は、決められた目標を達成する上で原動力となり、目標が高ければ高いほど必要となる。長期戦になればなるほどマインドの差が結果の差につながることが多い。

最後の「戦略的な取り組み」は、競争がある目標においては勝負を左右する要素となり、競争が無い目標においては時間効率に影響を与える。努力だけで成功できない複雑化した現代の課題に取り組む上では戦略性のレベルが継続的に結果を出し続ける上で重要である。


共通的に重要な三要素の次に、「受験」「就職活動」「夢」を個別に見ていく。


まず、「受験」において、鍛えるべきスキルは大きく三つに分類することができる。
それは、「暗記」「計算」「思考」である。

「暗記」は、現代の学校教育においてはそれ自体が問われる問題が多く、いかに「暗記」を効率良くこなすかが、受験や学内テストにおける結果を左右する。更に、「思考」自体が知識を基礎として行われるので、「暗記」が苦手な人は「思考」も苦手になる。

次の「計算」は、理系科目において共通的に求められるものであり、且つ、少しでもミスをすると正解が得られなくなる側面があることから、「計算」力の優劣が理系科目の成績を大きく左右する。そして、鍛える際には正確性だけでなく、スピードを重視して取り組むことが大切である。

最後の「思考」は学習の中では最も高度なスキルであり、高いレベルで身に付けることができると、そのままビジネス社会でも通用するものである。そして、「思考」を伸ばすためには、「暗記」により身に付けた広範囲の正確な知識をベースとして、論理・心理・倫理の三つの側面で考えていくことが重要となる。


次に、「就職活動」において、鍛えるべきスキルを三つ挙げる。
それは、「コミュニケーション能力」「問題発見・解決能力」「ITリテラシー」である。

「コミュニケーション能力」は、就職活動における採用活動のほとんどが面接形式で行われることからも重要性について疑いの余地は無い。どんなに優秀な才能も相手に伝わらなければ、表出することは無い。更に、物事への深い理解力は「コミュニケーション能力」と密接な関わっていることからも、早期に問題意識を持って取り組む必要がある。

次の「問題発見・解決能力」は、「受験」における「思考」のように与えられた問題・課題に対してではなく、自ら問題を見つけ出して解決していくという更に高いレベルの「思考」を求められる。変化の激しい世の中を生き抜いていく上では、与えられたものをこなす能力ではなく、変化への対応力を企業は求めているのだ。

最後の「ITリテラシー」は、就職活動の多くのプロセスがネット上で行われていることからも今や就職活動に臨む上では必須のスキルと言える。そして、世の中の情報をいち早くキャッチし、取捨選択して自分のものにするスキル自体は、「問題発見・解決能力」を高める上での前提にもなっており、「ITリテラシー」の欠如がそのまま「問題発見・解決能力」の欠如につながるのである。


最後の「夢」については、個々人によって千差万別であるが、ここでは「夢」を決める上で大切な視点を三つまとめ、教育と言う観点からはこの三つを生徒に意識させながら導いていくことが大切なことを強調したい。
大切な視点は、「哲学」「市場価値」「経済性」である。

「哲学」については、個人レベルで言えば、どのような人生を送りたいかであり、会社レベルであれば経営ビジョンである。一度しかない人生であるからこそ、自分が死ぬときに後悔しない人生にすべきであり、そのためにも、自分の心の声に耳を傾けることが必要だ。また、会社レベルにおいても、企業は利益だけを追求するのではなく、社会に対してどのように貢献していくかを明文化した経営ビジョンが大切なのだ。

次の「市場価値」は、自分が「夢」を叶えていく上で客観的にいかに価値のあるものを創り出していくかという視点であり、自分の「夢」を独りよがりのものにしないためにも大切である。価値自体は誰かが判断しなければ、それ自体意味が無いものであり、多くの場合は市場により評価されるものだ。だからこそ、自分自身や自分の生み出したものの市場からの評価が大切であり、自分の「夢」を決める際にも持つべき視点なのである。

最後の「経済性」は、自分の夢が実現された場合、あるいは、実現していく過程の中でどれだけ経済的な負担や収益があるかということである。どんなに「夢」を掲げても、必要なお金が莫大な場合は実現が難しいし、実現した場合の収益が低い場合はモチベーションが上がりにくくなるのは事実だ。そういう意味では、「夢」を決める際に、その実現過程と達成時の経済性を事前にシミュレーションすることは非常に大切である。


以上、「受験」「就職活動」「夢」の三つに対して大切なことをまとめた訳であるが、教育の観点において最も難しいのは、三つのバランスをいかに取っていくかである。

そういう意味では、大切なのはテストや受験に向けたプレッシャーが高くない長期休暇の時期やテストの合間、他には、受験直前の一年間を除いた期間の時間の使い方が非常に大切となる。とかく、人はプレッシャーの低い時期は易きに流れがちになるが、小中高の貴重な自由度の高い時間を、いかに堕落を最小限に抑えて過ごしていくかが、より良い人生を送る上で大切だ。

そしてその上で、テストや受験に対しては、高い目標を掲げ、高いマインドで臨み、誰よりも戦略性を持って立ち向かうことが重要である。


世の中では、受験だけに執心して「暗記・計算マシーン」を大量生産する保護者がいたり、アンチ受験になることで自己肯定に走り、結果として現実逃避する生徒がいたりと、バランスを欠いた教育・学習を行っている保護者・生徒が多いと感じてならない。
そういう意味でも、バランスを意識し、且つ、それを実践することで、本当の意味で「教育の価値」を最大限に引き出す時間の過ごし方をしてもらいたい。

全ての人が強い心を持ち、更に、その中で特に意識の高い層が将来の日本を引っ張っていく次世代リーダーとなっていくことを願ってやまない。